保育・育児

保育所保育指針解説⑤【3,4,5章】健康、安全、食育を支えるポイント

2025-05-22

保育園は、子どもたちが安心して過ごし、健やかに育つための大切な場所です。

厚生労働省の「保育所保育指針」をもとに、子どもの健康や安全、食育、保護者支援、災害対策、職員のスキルアップについて、わかりやすくまとめました。

1. 子どもの健康を支えるポイント

保育園では、子ども一人ひとりの心と体の状態をしっかり把握することが大切です。

定期的な健康診断や日々の観察を通じて、子どもの健康や成長の様子をチェックします。

たとえば、朝の登園時に「元気かな?」「いつもと様子が違うかな?」と保育士さんが気をつけて見てくれるんです。

  • 健康状態のチェック:機嫌や食欲、顔色などを毎日観察。保護者からの情報や母子健康手帳も活用して、子どもの健康を総合的に見守ります。
  • 成長の記録:身長や体重を定期的に測って、成長の変化を記録。家庭と情報を共有して、子育てに役立てます。
  • 気になることがあれば:発熱やケガ、病気や虐待の疑いがある場合は、すぐに保護者やお医者さんに連絡。マニュアルを作って、みんなで対応できるように準備します。

保育園は、子どもたちが集団で過ごす場所なので、全体の健康管理も大事。

たとえば、感染症を防ぐために、換気をこまめにしたり、手洗いをしっかり教えたりします。

アレルギーがある子には、医師の指示に基づいて食事管理を徹底。

安全な環境を整えることで、子どもたちが安心して過ごせるようにします。

2. 食育で「食べる力」を育む

食育は、子どもが「食べることを楽しむ力」を育むための大事な取り組みです。

保育園では、食事の時間を通じて、子どもが食材や食文化に興味を持てるように工夫します。

たとえば、野菜を育てたり、調理のお手伝いをしたりすることで、食べ物への感謝の気持ちを育てます。

  • 食育の目標:子どもが食事の時間を楽しみ、食に関する良い習慣を身につけること。たとえば、友達や保育士さんと一緒にご飯を食べることで、食事が楽しい時間になります。
  • 計画的な食育:年間の食育計画を作り、子どもの成長に合わせた食事を提供。栄養士さんがいる場合は、専門知識を生かしてメニューを考えます。
  • 安全な食事環境:食物アレルギーの子には、誤食を防ぐために食器の色を変えたり、座席を固定したり。ヒヤリ・ハット(危なかった事例)の分析もして、事故を防ぎます。

保護者とも連携して、家庭での食育をサポート。

たとえば、給食の試食会やレシピの共有を通じて、親子で食を楽しむきっかけを作ります。

地域の食材を使ったイベントも、子どもが食に興味を持つ良い機会になります。

3. 安全で清潔な環境づくり

保育園は、子どもが安心して過ごせる場所でなければなりません。

そのため、施設の衛生管理や安全対策を徹底します。

たとえば、部屋の温度や換気を調整したり、おもちゃやトイレを清潔に保ったりします。

  • 衛生管理:調理室やお砂遊び場、プールなど、すべての場所で清潔をキープ。消毒薬は子どもの手が届かない場所に保管します。
  • 職員の健康管理:保育士さん自身も体調管理を徹底。感染症が疑われる場合は、すぐに報告して対応します。
  • 食中毒対策:手洗いをしっかり教えたり、調理体験の際は衛生指導を徹底。食中毒が疑われる場合は、保健所と連携して迅速に対応します。

安全対策では、事故を防ぐために施設や遊具を定期的に点検。

たとえば、棚が倒れないように固定したり、避難経路を確保したりします。

子どもたちが自分で危険を避ける力を育てるため、遊びの中で安全について学ぶ機会も大切です。

4. 災害に備える準備

災害はいつ起こるかわかりません。保育園では、火災や地震に備えて、しっかり準備します。

たとえば、避難経路や消火器の点検を定期的に行い、避難訓練を毎月実施。

子どもたちが「もしものとき」にどう行動すればいいかを学べるようにします。

  • 施設の安全確保:消防法に基づいて、消火器や非常口を整備。避難経路に物が置かれていないか、毎日チェックします。
  • 避難訓練:火災や地震を想定した訓練を定期的に行い、子どもや職員が落ち着いて行動できるように練習。保護者とも連絡方法や引き渡しのルールを共有します。
  • 地域との連携:消防や警察、地域の企業と協力して、災害時の支援体制を整えます。たとえば、地域住民が一時的に避難してくる場合の準備もします。

災害時には、子どもや保護者の心のケアも大切。

怖い体験をした子には、専門家と連携してサポートします。

5. 保護者と地域を支える子育て支援

保育園は、子どもを預かるだけでなく、保護者や地域の子育てを支える役割も担っています。

保護者との信頼関係を築き、子育ての喜びや悩みを共有することが大事です。

  • 保護者とのコミュニケーション:送迎時の会話や連絡帳、保護者会を通じて、子どもの様子を伝え合います。保護者が子育てに自信を持てるよう、丁寧にサポート。
  • 特別な配慮が必要な家庭:外国籍の家庭や、障害のある子、ひとり親家庭など、状況に応じた支援を。市町村や専門機関と連携して、きめ細かく対応します。
  • 地域の子育て支援:一時預かりや育児講座、給食の試食会などを通じて、地域の保護者に子育てのヒントを提供。気軽に相談できる場として、保育園を開放します。

虐待が疑われる場合は、すぐに市町村や児童相談所に連絡。

子どもの安全を第一に、保護者への支援も丁寧に行います。

6. 保育士さんのスキルアップ

保育の質を高めるには、保育士さんや職員のスキルアップが欠かせません。

日々の保育を通じて学び、研修で新しい知識や技術を身につけます。

  • 職場の学び:保育の記録や写真を使って、職員同士で子どもの育ちを振り返り。実践を共有することで、みんなで成長します。
  • 外部研修:他の保育園の事例を学んだり、専門知識を深めたり。学んだことを職場で共有して、保育の質を高めます。
  • 施設長の役割:研修の機会を確保し、職員が学びやすい環境を整えます。たとえば、シフトを調整して、みんなが研修に参加できるようにします。

保育士さんには、子どもを大切に思う気持ちや倫理観が求められます。

たとえば、全国保育士会の倫理綱領では、子どもの気持ちを尊重し、プライバシーを守ることが強調されています。

まとめ

保育園は、子どもが安心して過ごし、健やかに育つための大切な場所です。

健康管理や安全対策、食育を通じて、子どもたちの「生きる力」を育みます。保護者や地域と連携しながら、子育てを支える役割も担っています。

そして、保育士さんたちの学びが、質の高い保育につながります。

子どもたちが笑顔で過ごせるよう、みんなで力を合わせることが大切ですね!

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