こんにちは!ともや先生です!
皆さんの園の主任先生はどんな方ですか?
保育園の園長・主任といった管理職とは一体どういう役割なのかをお話していきたいと思います。
- 既に園長・主任をやっている
- これから園長・主任になる
- 園長・主任ってどんな存在?
そんな人の為に本記事を作成しました。
また、一人でも後輩がいる!という先生にも役に立つ事を書いたつもりです。
僕自身、下積み時代に様々な園長・主任を見てきました。今でもいろんな役職者の方たちとお話させていただく事があります。
園長・主任の役割を一言で言いますと
「働きやすい環境をつくること」です。
管理職とは?なったらどうなる?
- 園長は責任者
- 主任は現場監督
2人とも、その職場の雰囲気に与える影響は大きなモノになります。
周りの見る目が変わる
そして、管理職になる前と後で、周りの目も変わります。
考えてみれば当たり前ですね。一般保育士と上の立場の先生では見る目が変わるのは当然です。
当然、全く関係無かったとしても行動全てに
- 園長なのに・・・
- 主任だから・・・
というフィルターを通されることになります。
僕は勝手に「管理職フィルター」と呼んでいます。
うまくいっている場合は問題ないのですが、なにか問題があると今まで以上に非難が殺到することになります。
なので言動には十分すぎるほど注意したい所です。
みんなのお手本
特に新卒や転職等の、新入職者からはお手本にされます。
ですが、やっている物事が正しい・悪いで判断されない場合があります。
- 主任がやってるから、やっていいんだ。
- 主任がやってないから、やらなくていいんだ。
自分がやっている事をそのまま真似されることがあるので、立ち居振る舞いについて、今まで以上に気をつける必要があります。
自分で思っている以上に影響力は大きいものです。
完璧な存在でなくていい
主任になった以上、完璧な存在でなくちゃいけない・・・間違いは許されない・・・!
いいえ!そんな事ありません!園長も主任も人間です。間違えないのは不可能です。
まず前提として、完璧な人間は存在しないのです。
もちろん「完璧を目指すこと」そのものはいいと思います。
ですが、完璧でなくてはならない!と思い詰めてしまうと、いずれどこかでパンクします。
大事なのは、園長でも主任でも、常に皆様に気付かされている。日々学ばせてもらっている。という謙虚な姿勢だと思います。
やって欲しい事10
それでは、どのような事に気を付けたらいいのか詳しく見ていきましょう。
①笑顔でいる
なにがなんでもまずは「笑顔」です!これがないと話になりません。
なんだそんなことか・・・なんて侮ってはなりません。本気で重要です。
園全体の雰囲気に直結します。
- いつも不機嫌そう
- 人によって態度を変える
いつも不機嫌そうにしている時点で、そこで働く職員からも笑顔が消えます。
怒ってるのかな・・・?確認取りたいんだけど、話しかけてもいいのかなぁ・・・
特定の先生にだけ笑顔を見せたりすると、それを見た職員はどう思うでしょうか?
私の時とは大違い・・・もしかして嫌われてるのかな・・・
働きづらくなる一因になりえます。
僕自身、無理をしてでも笑顔を作るようにしています。
立場が上がるほど、その重要度は増していきます。
②挨拶をする
笑顔の次は挨拶ですね!!こういう事が非常に大切なのです。
園長・主任の挨拶が素晴らしいと、園の雰囲気はガラリと変わります。
見学で園を訪れた人も、最初に会った職員の挨拶が素晴らしいと
この園の先生は全員そういう先生なんだな
と思ってもらえます。
挨拶がないのは論外、致命的です。非常に話しかけづらくなります。
上の先生が挨拶をしない園の場合、それを見た新卒は「この園では挨拶をしなくてもいい。そういう園なんだ。」という刷り込みが行われます。
挨拶は非常に大切です。「子ども」にも「保護者」にも「職員」にも「業者さん」にも明るい挨拶を心掛けましょう。
挨拶があるだけでグッと話しかけやすくなります。
③先生を信頼して「見守る」
泣いても笑っても、そのクラスは担任の先生が見ます。「任せる」という事も非常に大事なのです。
たまたま見つけた一コマだけ切り取って「注意・指摘」は絶対にやめて下さい。
いきなりクラスに入って来て
なにやってんの!そんなんじゃダメでしょ!先生のくせになんでわかんないの!
これは1番よくありません。
もしかしたら、なにかしら意図があるのかもしれません。たまたまそうなってしまったのかもしれません。それまでに至った経緯を知らずに口出しをしてはなりません。
どうしても気になったことがあれば、落ち着いている時間に
お疲れ様です。いつも頑張ってくれてありがとうございます。そういえばさっき、〇〇ちゃんスゴイ泣いていたけど、大丈夫でしたか?
まずは相手の話を聞いてからです。これが無いとなにもはじまりません。
気を付けたいのは、話しかけてくる時はいつも「注意・指摘」になっている園長・主任さん。
「見守り」ではなく「監視」になっていませんか?
自分としては「アドバイスをしている。その人の為に言っている。」場合がほとんどですが、これを続けていくと、言われている方は園長・主任が視界に入るだけで萎縮してしまうようになります。
結果「園長・主任に言われない為の保育」になってしまいます。これでは「より良い保育」を展開できるハズがありません。
先生の主体性を奪うこと。担任のメンツを潰すことはやめましょう。
言われた方は
急に来てなんなの!?
私、信頼されてない…
例えば極端な例ですが、子どもに暴力を振るっている!とかは流石にまずいですが「ここだけはどうしても譲れない!」というラインまでは見守ることが大事です。
監視されている。と思われたら、どんな言葉も届きません。大人も子どもも「見守り」が大事。
④クラスに入ったらサポートに徹する
園長・主任は担任を持つことはないですが、なんらかの事情(現場を把握する為等)でクラスに入ることがあるかもしれません。
そこで出しゃばってはなりません。サポートに徹して下さい。
上にも書きましたが、そこで目についたところから、片っ端から「指摘・ダメ出し」をしてしまうのはNGです。
側で見ていて
なんでそんなに効率悪いの!!
普通に考えればわかるでしょ!
もっとうまい方法あるでしょ!
思う事あるかもしれません。
園長・主任はおそらく能力があり経験豊富な方が選ばれていると思うので、特に若手の先生の行動にやきもきするかもしれません。
ですが、クラスの事は担任の先生に任せましょう。
クラスの保育をかき乱す事は断じてなりません。なにも言わず、優しくフォローしてあげることです。
リーダーの先生を信じるんです!「こっちの方がいいよ!」と勝手に指示を出すのはやめて下さい!
「効率悪いな・・・」と思っていたとしてもサポートに回るのです!
私がついてるから大丈夫!だから思いっきりやっちゃって!
安心を与えること。
側について「注意・指摘・リーダーをさしおいて勝手に指示」以上のことを積み上げると・・・
えー!〇〇先生今日風邪で休み!?じゃあ今日、主任がウチのクラス入るの!?うわー!最悪ー!やだなやだな。怖いよぅ・・・
萎縮してしまい、悪循環は嫌ですよね?
大切なのは落ち着いた時間に振り返りに付き合うことです。
例えば午睡の時間に連絡帳を書きがてら
今日もお疲れ様!とっても頑張っていましたね!ところで、今日の活動はどうでしたか?自分でなにか気付いたところありますか?
改善案は本人に考えて貰いましょう。
そしていいところを探してあげて下さい
お製作かわいいのできましたね!あの時の声かけよかったですね!
些細なことでもかまいません。上の先生から褒められると嬉しいものです。自信にもなります。
⑤みんなとの会話を大切にする
- 園長とだけいつも長時間話している主任・・・
- 主任は園長のご機嫌とりばかり・・・
- お気に入りの先生としか喋らない園長・・・
そんな園長・主任さんはいませんか?
僕の経験上ですが、たまに1~2時間以上平気で話している園長・主任がいます。
業務報告をしている場合もありますが、なにかあった時等、たまになら大丈夫ですが、それが頻繁に繰り返されると純粋に迷惑なんですよね。
うーん…まだ園長・主任で話してる…報告・確認したいことあるんだけどなぁ…まだ終わらない…
下の先生の話こそ話を聞くべきなのです。
それだけで「退職防止」になります。
自分の話をとことんよく聞いてくれる主任がいる。それだけで退職する理由はなくなります。
違いますか? 主任が全然話を聞いてくれない。 まったく話にならない! という職場で今後もずっと 働き続けたいと思うでしょうか?
よく聞いてくれる園長・主任がいるということで「多少環境が変わっても働き続けたい!」という職場になるわけです。
⑥職員指導
①~⑤に書いてあることを全て行って、ここからがやっと指導です!
今までの時代、園長や主任が決めたことにただ従っていればいい!という時代もあったかもしれませんが、これからの時代は自分の頭で考えて動ける先生を育成することが管理職の務めです。
基本的な業務は当然教えるとして、やはり保育の質等深い部分を指導するとなると状況は変わってきます。
人を指導する時に気をつけなくてはいけないことは「教えてはならない」。あくまで自分で気づけるようにお手伝いをすることだけです。
園長・主任の先生は有能ゆえ、すぐに解決策が見えてしまい口に出したくなる気持ちはとてもよくわかります。しかしそれをしてしまうとその職員の成長する機会を奪ってしまうことになります。
人は誰でも自分の頭で考える力を持っています。 成長する機会を奪っているとしたら上司の責任です 。
人は「学習」します。こちらがなにも言わなくても経験を積みます。
- 失敗してしまった!
- なんで失敗したんだろう!
- 次からはこうしよう!
- やり方を変えよう!
そう思っている中、上の先生から
あれが違う!
これが違う!
こうしなさい!
こう言われた場合・・・
ご指導ありがとうございます!
アドバイスありがとうございました!
助かりました!
なんて思ってくれればいいのですが、それはよっぽど稀です。
ただ単にやる気を奪うことになります。おそらく心の中では
また言われちゃった…私って本当にダメなんだ…
もしくは
そんなことわかってるんだよ!うるせえな!黙ってろよ!
としか思っていないでしょう。
なので、大事なことなので繰り返し伝えますが、指導したい時はその人の話をまず聞くところから始めるのです。
その先生は「何を思っているか、何を考えているか、次はどうしたいか」等、最後まで聞いてあげましょう。
こちらの思いを伝えるのは、全て聴き終わってからにしてください。
考えてみれば至極当然の話ですが、こちらの話を聞かない人の話を、聞きたいと思うでしょうか?
まず、この「聞く」という能力がなければ管理職として話になりませんので、よく覚えておいてください。
そのための信頼関係作りが非常に大切なのです。 大事なのは普段からのコミュニケーションです。要は「この人の言うことだから聞こう」と思って貰えるかどうかです。
⑦常に学び続ける
上記の「完璧な存在でなくていい」にも通ずるのですが、立場が上の人こそ、常に学び続ける必要があります。
目まぐるしく時代は進化し続けています。
特に「保育」という分野は他よりも何十年単位で遅れていると言われています。
- ICT化
- 書類のペーパーレス
- 連絡帳もアプリに
- HP強化
今はよかったとしても、いずれ時代に取り残されます。
⑧年下にも敬語
立場が上になるほど謙虚な姿勢が大切です。
これはけっこう個人的な考えなのですが、年下の先生にも敬語を使うことをオススメ致します。
平の保育士である場合はまた話は変わりますが、上述通り役職につくと周りの見る目も変わるのです。
特に先生達に対して「ちゃん付け」や「呼び捨て」は辞めてください。
その保育園の方針にもよるかもしれませんが。少なくとも「〇〇先生」や「〇〇さん」と敬称を付けて下さい。
それだけで丁寧さ、謙虚さが伝わります。
僕は園長と職員の線引きとしてもとても重要な事だと思います。
立場が上だからといって、馴れ馴れしくすると引かれたり、思わぬ誤解を与えてしまったりするもの。
普段から使う言葉にはより一層注意が必要です。
⑨気にしないスキル
大事なのが「気にしない」ということです。
え!?なんだ、そんなこと…?
断じて侮ってはなりません!!
この「気にしない」という事が自分を守る為に非常に大事なのです。
管理職というものはストレスもとても多いモノです。
例えば…
- 自分の言った言葉が勝手に言い換えられて広まる
- 言った覚えの無い事も自分のせいにされる
- 間違えて伝わって誤解を生む
- 指導をしても反抗的な態度をとられる
以上の事が予想されますが、それは仕方の無いことです。
それらに一つ一つ傷ついていては身が持ちません。「話を聞く」という事は確かに大事ですが、ずっとそれをひきずってしまっては心がやられてしまいます。
人は嫌な体験をすると、その事をずっと考え続けてしまうもの。
特に真面目で責任感の強い人ほど気にしすぎてしまいます。
仕事が終わって家に帰った後や、休みの日も、ずっとその事を考えてしまっては心が壊れてしまいます…!
なので、嫌なことを考えそうになったら、別の楽しいことを考えるクセをつけておくことです。
僕は意識して、好きな音楽を頭の中に流したり、好きな漫画の事を考えたりするようにしています。
心が壊れないようにする為に非常に大切な事だと思います。あんまり自分で自分を追い込まないであげて下さい。
⑩安心を与える存在になる
冒頭にも書いた「働きやすい環境を作る」という事に直結することです。
働いている先生に「安心」を与えて下さい。
特に園長先生や主任になったばかりの時は、周りも不安に思うものです。
「安心」を与える為には①~⑨の事を実践し、日々積み重ねていくことしかありません。
普段からのコミュニケーションを大切にしてあげて下さい。
信頼関係が築かれていない主任・園長に、悩み事は話そうと思うでしょうか?
例えば職場で職員がミスをしてクレームになった際
管理者は職員に一言「大丈夫ですよ。」と言って安心させてあげることです。
そして一緒に謝罪。それだけで、職員は救われます。改善策も自主的に考えてくれます。
そこで説教してしまうと、その職員の可能性の芽を摘んでしまうこととなります。
周りの先生も良いところを常に探してあげてください。 なんにも考えていない人は存在しません。 もしいるとしたら、それは園長・主任がそうさせてしまっているのです。
私がいるから大丈夫です。安心して働いて下さいね。
是非、言葉と行動で伝えてあげて下さい。
個人的な思い
僕は新人時代、園長先生と交わした言葉などたかが知れています。
例えばの話ですが、僕が一人で遅番の時間に保育園の締め作業をしていたとします。
事務所に一人残っている園長先生。
僕が事務所に入り
園長先生ご報告です。
今日は〇時〇分。全園児降園しました。
と報告したとします。
他の職員は全員帰ってしまっていてそこにいるのは自分と園長先生だけです。
当時の僕は人間関係も仕事も全くうまくいかず 自分の能力不足に自己嫌悪な毎日でした。
そんな時にこんな言葉があったらどうでしょうか?
いつもお疲れ様です。 うちの園のために日々頑張ってくれてありがとうございます。 どうですか? これまで働いてきて何かありますか?
慣れない環境で辛いこともあるかと思います。 困っていることがありましたら是非話していただけませんでしょうか?
もし困っていることがあったら それを解決できるように一緒に考えたいと思っています。
という言葉があったらどうでしょうか?
園長先生!勿体ないお言葉!ありがとうございます!ついていかせてください!!!
僕の以前働いていた働いていた保育園は 上下関係がとても厳しく園長先生は雲の上の存在でした。
そんな園長先生が自分のために声をかけてくれている。自分のために何か出来ることをしようとしてくれている。 その言葉があるだけで、とても救われる気持ちになったと思います。
まとめ
職員の働きやすい環境を作る為にはまず、「笑顔」で「挨拶」し「見守り」「サポート」し、徹底的に先生の「話を聞いて」「本人に考えてもらう」こと。
そして「気にしすぎないメンタル」を持って「安心」を与えてあげて下さい。
特に、相手の話を聞く。 気にかけてあげる。ということは 立場が上に行けば上に行くほどとても重要になっていくスキルです。
それだけ!?と侮ってはなりません。先生たちに支えられて、今の自分があるのです。
園長や主任にならなかったとしても経験年数を重ねていけば現場への影響力は次第に大きくなっていきます。 是非とも皆様に心がけておいてほしいスキルです。
コチラはオススメ書籍です。
とても読みやすくわかりやすいので、特に園長・主任一年目の方に読んで欲しいです。
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