こんにちは!『ドラゴンボール』の鳥山明先生と『電影少女』の桂正和先生は、漫画界の巨匠でありながら、40年以上も続く親友同士でした。
ふたりの仲の良さは、笑える話から心温まる瞬間まで、まるで漫画のような魅力に溢れています。
ジャンプ編集部で始まった友情
鳥山明先生と桂正和先生の出会いは、1980年代の『週刊少年ジャンプ』編集部でした。
編集者の鳥嶋和彦さんが「漫画家同士で話せばストレス発散になるよ」と軽い気持ちでふたりを引き合わせたのがきっかけ。
『Dr.スランプ』で人気だった鳥山先生と、『ウイングマン』で注目を集めていた桂先生は、すぐに打ち解けました。
愛知県出身の鳥山先生と福井県出身の桂先生は、「どっちが田舎者か!」なんて冗談で盛り上がり、まるで子ども同士のようなノリで友情が芽生えたんです。
桂先生がラジオで語った話では、鳥山先生が「福井の方が田舎だろ!」と笑うと、桂先生が「愛知だって負けてないよ!」と返す、こんな軽いやりとりが日常だったそう。
実は、鳥嶋さんがふたりを仲介したのは、ちょっと人見知りな鳥山先生を心配したからでもあるんです。
編集部のパーティーでひとりだった鳥山先生を見て、鳥嶋さんが「桂の明るさに救われるかな」と思ったんだとか。
後年、鳥山先生が「桂君がいなかったら漫画家辞めてたかも」と冗談で言った話は、ファンの間で愛されるエピソードです。
毎晩の長電話で大笑い
ふたりの仲の良さを象徴するのが、毎晩の長電話。
桂先生によると、6時間は当たり前で、時には12時間も話していたことも!
漫画の話はほとんどせず、変なテレビ番組や街で見た面白い出来事で大笑いしてたんです。
桂先生が「昨日、変なCM見た!」と話し始めると、鳥山先生が「それ、俺も見た! 何あのダンス!」と乗っかって、延々と盛り上がったこともあったそう。
桂先生が「肩に電話を挟んで原稿描いてた」と笑うほど、電話は日常の一部でした。
あるとき、桂先生が鳥山先生の家に遊びに行ったら、玄関にでっかいバットマン像が置いてあってビックリ!
実は、桂先生が「バットマン面白いよ!」と熱く勧めたのがきっかけで、鳥山先生がノリで買っちゃったんだとか。
桂先生が「でかすぎるだろ!」とツッコむのが定番のネタになったそうです。
別の話では、鳥山先生が「変なプラモデル買っちゃった」と子どもみたいにはしゃぎ、桂先生が「またかよ!」と呆れながら聞いてたことも。
こんな他愛もない話で夜を明かすなんて、ほんと親友って感じですよね。
合作『カツラアキラ』で深まった絆
仕事でもふたりの友情は輝いていました。
2008年と2009年に短編集『カツラアキラ』で合作した『さちえちゃんグー!!』と『JIYA -ジヤ-』は、鳥山先生が原作、桂先生が作画を担当。
鳥山先生の「軽いギャグでいいよね」というシンプルなスタイルと、桂先生の「感動的な話にしたい」という熱い思いがぶつかり、締め切り直前まで議論したこともあったそうです。
『さちえちゃんグー!!』のストーリーで、桂先生が「キャラの背景を深めたい!」と提案すると、鳥山先生は「深刻な話はいらないよ」と笑ってかわす、なんてことも。
でも、鳥山先生は「桂君となら本音で言い合える」と信頼してました。
あるとき、鳥山先生が「桂君と言えばお尻」と冗談で提案し、主人公の特徴をお尻に設定したのは、ふたりのユーモアが詰まった瞬間。
桂先生が「鳥山さん、ほんとすけべだな!」と笑ったそうです。
別の話では、桂先生の『DNA²』の主人公が金髪に変身する設定が、実は鳥山先生のアイデアだったんです。
鳥山先生が「金髪の変身カッコいいよ!」と軽く言ったけど、ファンから「ドラゴンボールと似てる!」と抗議が来て、桂先生は「鳥山さんのせいなのに!」と苦笑い。
この話は『カツラアキラ』のインタビューで出てきて、ふたりの遊び心が伝わります。
プライベートでのほっこりエピソード
プライベートでも、ふたりの交流はまるで子ども同士。
ある夜、怪談話で盛り上がったら、桂先生の家に「何か来た!」とビビって、朝まで電話で話したことがあったそうです。
鳥山先生が「霊ってすげーなぁ」とはしゃぐ姿に、桂先生も「怖いけど楽しい」と大笑い。
鳥山先生はUFOやオカルトも好きで、「UFO見たことあるんだよね」と真剣に話して、桂先生を半信半疑にさせたことも。
あるとき、「桂君の家の上にUFOいるかも」と冗談で言ったら、桂先生が本気で窓を見に行ったんだとか!
鳥山先生の家に遊びに行ったときの話もほっこりします。
鳥山先生の自宅には「怪獣部屋」っていう、ゴジラやガメラのフィギュアがズラリと並んだ部屋があって、桂先生は「ここまでハマるか!」と驚いたそう。
桂先生が「俺もゴジラのフィギュア買おうかな」と言うと、鳥山先生が「いや、これは俺の領域!」と冗談で牽制したことも。
別の日には、鳥山先生の大きな犬と一緒に散歩して、桂先生が「でかすぎ!」とビビると、鳥山先生が「桂君、犬に負けてるぞ!」と笑ったエピソードも。
こんな日常の楽しさが、ふたりの絆を物語っています。
鳥山先生の優しさが光る瞬間
2024年3月に鳥山先生が急逝したとき、桂先生の追悼コメントには深い悲しみと愛が込められていました。
桂先生が手術を受ける前、鳥山先生から珍しく真面目なメールが届いたことがあったんです。
いつも冗談ばかりなのに、「体を大事にしろよ」と心配する内容で、桂先生は「40年の付き合いでこんな鳥山さんは初めて。雪が降るかと思った」と振り返ってます。
手術後に「ありがとう」と返信したら、鳥山先生が「いや、普通だろ」と照れ隠しで返したんだとか。
このシャイなやりとりが、鳥山先生らしいですよね。
別の話では、鳥山先生が『ドラゴンボール』の成功を「運が良かっただけ」と本気で言ってたことも。
桂先生が「どうやってこんな話思いつくの?」と聞くと、「テキトーに描いただけ」と返すばかり。
桂先生が「そんなわけないだろ!」とツッコんだら、鳥山先生が「桂君の方が才能あるよ」と真顔で言い、桂先生が「いや、無理!」と慌てたそうです。
桂先生が「自分が先に逝ったら、お別れ会を仕切ってね」と冗談で約束してたこともあったけど、鳥山先生が先に逝ってしまい、桂先生は「約束守れなかった」と悔やんだと語ってます。
こんなエピソードに、ふたりの深い信頼が感じられます。
子どもたちに伝えたい友情の大切さ
鳥山先生と桂先生のエピソードは、子どもたちにも友情の大切さを教えてくれます。
漫画家として競い合いながら、いつも笑顔で支え合ったふたり。
桂先生のアシスタントだった人の話では、作業中、桂先生が楽しそうに長電話してると、相手はいつも鳥山先生だったそう。
アシスタントたちは「なんでそんな仲良いんだ!」とちょっと嫉妬したんだとか。
あるとき、桂先生が鳥山先生と「次の合作でどんなキャラ描く?」と話してるのを聞いて、アシスタントが「鳥山さんと話してるなんて夢みたい!」と興奮したエピソードも。
鳥山先生が「桂君の絵は色っぽくて敵わない」と冗談で言いつつ、『電影少女』の原画をこっそり集めてた話もあって、桂先生は「鳥山さん、ほんとすけべだな!」と笑ったそうです。
こんな軽いノリの中にも、ふたりの尊敬と愛が詰まってます。
まとめ:40年の絆は永遠に
鳥山明先生と桂正和先生の友情は、笑いと信頼で築かれた宝物です。
長電話、バットマン像、合作のユーモア、怪獣部屋、そしてお互いを思いやる優しさ。
ふたりのエピソードは、子どもたちにも素敵な友情を教えてくれます。鳥山先生が逝去した今、桂先生は「もう一度くだらない話で電話したい」と語ります。
でも、ふたりの絆は『カツラアキラ』や『ドラゴンボール』、『ウイングマン』を通して、ずっと生き続けます。
ぜひこれらの作品を手に取って、ふたりの笑顔を感じてください!