こんにちは!ともや先生です!
僕の大好きな漫画「デビルマン」の話をさせて下さい!
デビルマン…言わずと知れた永井豪先生の大傑作の中の1つです。
僕はこのデビルマンが大好きで大好きで仕方ないのです。
これはもう神の書いた作品です。後の世代に与えた影響も大きいモノです。
今回は、ネタバレありで、とことん語らせて下さい!!!
※「デビルマン ザ・ファースト」という名前で復刻されましたね!
最初に:漫画とテレビアニメは全くの別物
デビルマンといえば、テレビアニメ版の方が有名かもしれませんが、アニメと漫画は全くの別作品なのです。
ここをわかっていない人が多いのかな?という感想です。
まぁ興味のない人からしたらどうでもいいことですよね…
デビルマンの外見
皆さんは、デビルマンと聞いたらどんなイメージでしょうか?
デビルマンと聞けば読んだことない人は大体このように想像するのではないでしょうか?
- パンツを履いてる
- 赤い翼
- 肌は緑色
- 技の名前を叫ぶ
上記にあげた事は、ほとんどアニメに当てはまることなのです。
アニメ版はアメコミをイメージしてデザインをされたそうです。
漫画版は↓
- 下半身は体毛で覆われている
- 翼はコウモリのような黒い翼
- 肌は基本的に肌色※作品によって変わることもある
こんな感じですね↓
外見はヒーローっぽくなく、敵のボスみたいな感じです。
ヒーローっぽさが抜けて獣っぽいデザインになっています。
作者が最初、編集さんにこのデザインを見せたときは「主人公じゃなくて、悪魔の敵のボスかと思った!」と言われるほど。
今ではさほど珍しくない凶悪なデザインですが、当時はかなり衝撃的だったようです。
ストーリー
違うのは見た目だけではありません。
勘違いされがちなのは↓のようなこと…
- 1話完結の勧善懲悪
- 戦隊ヒーローみたいな子ども向け
大丈夫です。僕も漫画を読む前はそう思っていました。※戦隊等のヒーローも内容は作り込まれていて大人が見ても楽しめる内容となっています。
ここで声を大にして言いたいのですが、「デビルマン」はアニメと漫画は全くの別物なのです!
「善とは?悪とは?」これを非常に考えさせられる内容です。
ストーリーにつきましては、後ほど詳しく話していきますが、とことんシリアス!
内容がやりすぎなくらいショッキングです。
僕も初めて読み終わった時は「なんじゃこりゃ!」と思いました…
間違いなく規制の厳しい現在では連載は不可能です。
僕がもっとも読み返した作品かと思います。
勿論テレビアニメ版も素晴らしい作品となっています…!
デビルマンという言葉の概念
そしてもう一つ誤解されがちなのが「デビルマンという言葉の概念」です。
アニメ版はもともとデビルマンという名前の悪魔が存在し、それが人間である少年の姿を借りて戦います。
一方、漫画版はデビルマンという名前のキャラは存在しないのです。
※漫画版のデビルマンは「体は悪魔になってしまっても、心は乗っ取られずに人間のままでいられる者」の全般をさします。
勿論「アニメ版のコミカライズ」も存在します。
「テレビアニメ版」も「アニメ版コミカライズ」も素晴らしい作品なのですが、それはまた別の話です。
漫画版を徹底的に語る!
前置きが長くなってしまいましたが、ここから漫画の内容に入っていきたいと思います!
まず初めに、ここまで濃厚なストーリーを、たった全五巻で描ききったことが驚愕です!
五巻というとドラゴンボールでは、少年悟空編でハッチャンがホワイト将軍をぶっ飛ばすところらへんです!
読もうと思ったキッカケ
確か初めて本書を手に取った時は高校一年生だったと思います。
学校の近くにあったブックオフで、なぜか「ネオデビルマン」が目に留まりました。
「ネオデビルマン」とは、デビルマンに影響を受けた作家さんたちが独自の解釈で描いた外伝です。※中には永井豪先生自身の作品も含まれる。
※今は少なくなってきてきているのかな?アンソロジーのようなものです。
その時に「江川達也先生」の話に衝撃を受けます。
江川達也先生!「タルルートくん・東京大学物語・GOLDEN BOY」で有名な漫画家さんですね!
デビルマンという作品に対し、上記の通りのイメージしか持っていなかった僕です。
内容があまりに衝撃的過ぎて、「なんだこれは!?もしかしてデビルマンって、自分が思ってたような作品とは全然違うんじゃないの?」と思ったキッカケでした。
その時点で、今でも軽くトラウマです…江川達也先生がいなかったらデビルマンとの出会いはなかったかもしれません。
上記のことで、デビルマンに対してただならぬ気配を感じ取った高校一年生の僕…
やはりその時の衝撃が忘れられず…どーしても気になってしまい、結局後日、古本で「文庫版デビルマン五巻セット」を購入してしまいました。
そうさせてしまうだけの「魔力」があったのでしょうね…
「誕生編」の感想
一巻では伝説の始まりの「誕生編」が描かれます。
絵に関していえば「昔の絵だな」という印象を一番初めに持ちました。
当時の最新ではあったかもしれませんが、昔の漫画は今ほど描きこまれていない作品が多かったりしますものね…
ですが、僕は一巻を読み切って、ド肝を抜かされることになります!!!
個人的には「一巻が一番面白い!」と言ってもいいくらいのクオリティです!
なんと主人公がデビルマンは変身するまでに、単行本一冊丸々使います!
※全五巻の場合は1冊で、ファースト等もっと分厚い場合はそれに当てはまりません。
皆様のイメージするようなヒーローものであれば、第一話に主人公が変身して敵を倒すという流れを思い浮かべませんか?
突然なにかに巻き込まれて、自分でも訳が分からず変身する!なんて王道ですよね?
それとは全く違います。
主人公がデビルマンへ変身するまでの過程が、とても丁寧に描かれているのです。
まず、主人公の性格は「ガツガツした熱血漢!」ではなく「気の弱い普通の高校生」です。※これは今でもよくある設定です。
冒頭を軽く説明します。
主人公のもとに昔の友人が訪ねてきます。
友人の口から「自分の父の死」が告げられ、そこからホラー&ミステリー展開なのです。
友人の口から「デーモン」の存在が語られます。
ですが人間社会はデーモンの存在は認めません。自分でなんとかするしかないのです。
そして明かされる「デーモンを倒す方法」…それは自分自身がデーモンになることだったのだ!!!
ここまでの展開が悲壮感があって熱いんです!是非一巻だけでも読んでほしいっ…!
アニメ版ではデビルマンは個人名ですが、漫画版は「体はデーモンでも心は人間」それをデビルマンと呼ぶのです。
今みたいに特別スペシャルアイテムで変身!とかではないのです!
人であることの喜びも悲しみもなにもかも捨てて、おぞましいデーモンへとなるのです。
それがどれほど恐ろしいことか…
そして失敗したらその場で死…成功しても、デーモンと戦い続ける地獄の日々…
もちろん世界が平和になったとしても元の人間には戻れませんし、人間社会はそんな自分を受け入れてくれるはずもありません。
救いがなさすぎる…あまりに理不尽…!!!
どうですか?哀愁漂う展開ではないですか?※これは昭和仮面ライダーにも通ずる部分でもありますね。
人間であることを捨てる!その決心をするまでの過程がまた熱いのです!「二人で一緒に地獄に堕ちよう!」と涙涙に決心するのです!
それがこの作品をより一層盛り上げるのです。
主人公はなんとかデビルマンになることに成功。
ですがその過程で、自分を誘った友人は命を落としてしまいます…そこまでの流れが完璧なんでよね…鳥肌ものです…
一緒に戦うハズだった友人もいない…この世界にポツンと一人取り残されてしまうのです…
作者はどれだけ主人公のことを追い詰めるんだ…うぅ…心情は察してあまりあります…
そこでまた場面は「日常」に移ります。
なんと合体した副産物として、主人公の性格が変わります。
気弱でオドオドした少年が突然ワイルドな性格になるのです。
デビルマンになる前は学ランをビッチリ着てホックまでしめていた主人公。
デビルマンとなった後は、学ランの前を全開け!そして下にはなにも着ていない!
そこで絡んできた不良達を片手でぶっ飛ばしてしまいます。いやー、これにはスカッとさせられました!
これは当時の僕にはかなりの衝撃的でした。「マジでカッコいい!」と素直にそう思いました。僕の中二病を加速させた原因でもあります。
ここまでのことを成し遂げた主人公なので、これくらいのご褒美はあってもいいと思います。
特定の条件下でキャラの性格が変わる設定は今ではさほど珍しくないかもしれませんが、途中から性格が変わってもう戻らないのはけっこう珍しいのではないか?と思います。
「三つ目がとおる」とか「遊戯王」とかは性格変わってもまた戻りますね。
この部分は漫画「寄生獣」に色濃く受け継がれていると思っています。
この作品も死ぬほど面白い名作中の名作です!
初めて読み終わった時の感想
死ぬ思いでデビルマンとなった主人公…
ですが最終的にはヒロインが殺され、自分も負けて終わる結末となります…
かなりの衝撃でした…
なんでかは忘れましたが、確か当時は高校1年生…父親の仕事部屋で一人で読んでいたと思います。
もう読み終わった時の喪失感は半端なかったですね…
デビルマン側、人間の勝利で終わりハッピーエンドになると思って読んでいただけに、かなりショックでした…
基本的に少年漫画ってハッピーエンドが多いですし、最終回で死んだキャラが生き返ったりするじゃないですか?
デビルマンはそういったものが一切ないのです。
それまで夢中になって没頭していただけに、勝手に作者に裏切られた気持ちになり「せっかく買った漫画だけど、捨てちゃおうかな…」と思ったほどです…
しかし何日か経つと、自分の中でいろいろと物語が頭の中で整理されてきたのでしょうか?
この内容を全五巻で描ききったのは凄いな…!と思えるようになってきました。
そして衝撃的な最終回が信じられず、何度も読み返しました…!
「美樹ちゃん死なないでー!デビルマン負けないでー!サタンぶっ飛ばして最後くらいスカッとさせてくれやコンチクショー!」そう祈りながら何回も読み返しました…
当然ですが、何回読み返しても結果は変わるはずもありません…
「なんで作者はこんな救いのない話にしたんだ…」と当時は思い、悩みました。
それにしてもデビルマンは内容が衝撃的過ぎて当時の僕は影響されまくっていました。
主人公の服装を真似して黒ずくめの服を着たりしたものです…若かったな…
そして「この衝撃作をより多くの人に知ってほしい!」と思い、周りの友人にも勧めていました。
ですが、やはり絵柄が古いせいか「ドラえもんみたいな絵の漫画読まねーよー」みたいに言われたときは悲しかったですね…
ちなみに「デビルマンG(グリモワール)」という他作家さんが書いたデビルマンで、デーモン戦争で人間側が勝つ。という結末のデビルマンも存在します。
興味があれば是非…
ヒロインの死は必然だった?
当時まだ高校生の僕は理解ができなかったのですが、何度も読み返して、自分も大人になってみると作者の意図がわかってきた気がします。
打ち切りである為に、ページ数がかなり限られている。
作品の質を落とさずに完結するにはこうするしかなかったのだと、今ならわかる気もします。
もし、主人公がヒロインを救出してラスボスにも勝利してハッピーエンド!
この展開だと、面白いけど「過去の名作」になって、ここまで伝説にならなかったかもしれません。
デビルマンのジャンルはやはり「ヒーローモノ」です。
ヒーローといえばヒロインの危機に間一髪で助けるのが王道です。
デビルマンはその王道を見事にぶち壊したのですね!
そしてラストは主人公まで…
当時の子ども達にトラウマを植え付けた衝撃の作品になったわけです!
僕が生まれる前の作品であるにも関わらず、後の世にここまで残るなんてスゴイですよね。
しかもテレビアニメでなく、漫画原作の方です。
年十年も経ってネトフリでアニメ化もしていますし。
それほど衝撃な作品で、見た者により印象付けたのでしょう。
因みに「激マン!」でも作者本人が述べています「デビルマンがヒロインの危機に間に合って救い出してしまうと、ありきたりなヒーローモノになってしまう」と作者は述べています。
ただそれでも思ってしまうこと…
明の正体がバレた時点で、家族揃ってみんなで逃げちゃえばよかったんじゃないの?
なんて、野暮な突っ込みですよね。
ヒロインを助けれなかったヒーロー、他に例をあげると「スパイダーマン」なんかもそうですね。※その後はヒロインの死をも背負い更に過酷な運命に身を投じることになるのですが…
満月の夜の謎
しかし一つ大きな疑問が…
「光の球」の謎は他媒体で説明がありました。※あれは神の軍勢だそうですね。
しかし何度読み返してもわからないことが…
「一か月後の満月の夜の決戦」の話はどこいったんだろう…?ということ。
- 打ち切りの煽りでうやむやにされたのか…
- 描いていくうちに作者の気が変わったのか…
- 純粋に忘れてしまったのか…
ただ「激マン!」によると打ち切りが決まってから「アルマゲドン編」が始まったので、やはり作者の気が変わったか、忘れ去られたのか、どちらかでしょうか…?
そして最終決戦は20年後に行われました。
その20年にも、どんな意味があったのかは今でも謎のままです…
明くんも「勝負だ!サタン!」と言い、サタンも「彼は…わたしと戦わずにはいられない!」と煽っているのに、なぜか決着は20年後なのです…
仲間集め…?それにしても時間かかりすぎだよね?
人類が滅亡するのを待っていた?必要なくね?
20年も経ったら怒りが風化してしまわないか…?クラピカもそれを恐れていましたよね。
美樹ちゃん殺された勢いのまま総攻撃をかければよかったのではないか?
なんて今でもたまに思ったりします。
それも「激マン!」を読んでみても説明はありませんでした。
打ち切りがデビルマンを「神作品」に?
デビルマンは「打ち切り」である。これは有名な話です。
デビルマンも最初は「自由に描かせてもらえる」という条件で始まった作品だったのらしいですが…
テレビアニメ終了と同時に大人の都合で打ち切りを言い渡されました。
当時はそんなことは知らずに、物語に引き込まれていましたが…
学生の頃は「編集め〜!作者の自由に描かせてやれよ!もっと続きが読みたかったのに!」と思ったものです。
ですが、打ち切りだったからこそ、あの「怒涛の展開!鬼気迫る迫力!」があったのかな?と、今になって思うところです。
これは僕個人の想像で、全く根拠はありませんが「打ち切りがあったからこそ完結したのでは?」なんて思うときがあります。
永井豪先生は大風呂敷を広げて、それを全く回収せずに終わる作品も珍しくありません。
なんの制約もなく自由に描いていたら、アルマゲドン編はもしかしたら存在しなかったかもしれません。
実際に打ち切りが決まってから、先生が物語を完結させる為に「アルマゲドン編」が始まっています。
ただ個人的にですが、ページの都合上デビルマンの戦闘描写は大幅にカットされています。
それは致し方ないですが、魔将軍ザンくらいは激しいバトルの末倒して欲しかったな…と今でもたまに思い返します。
飛鳥了=サタンについて
主人公・不動明の親友であり相棒である飛鳥了。冷静沈着クールな二枚目です。
物語終盤で自分がサタンであることを思い出し、明を絶望のどん底に突き落とします。
ですがなんと、作者である永井豪先生自身も、飛鳥了がサタンであることは知りませんでした。
そもそも飛鳥了というキャラはアニメには登場しません。
デビルマンはアニメ企画が先なので、重要なキャラであればアニメにもいないと違和感があります。
ですがそれを打ち破って「飛鳥了」は誕生しました。物凄いエネルギーですね…!
永井先生は描きながらキャラが勝手に動いて物語を進めるタイプ。
その為速筆で、週刊誌4本同時掲載していた際も編集者を待たせることがほとんどなかったとか…
そこらへんの詳しい話は「ブラック・ジャック創作秘話」にて収録されています。
話を飛鳥了に戻します。
アルマゲドン編に入ってからの了は明らかに様子がおかしいのですね。
アルマゲドン編の冒頭…漫画を貸した友人からは「了ってやつがウザくなってきた…」なんて言っていました。
なんでかっていうと、諦めが早すぎるんですよね。
力の差を知って戦意喪失…ガタガタ震えるどこかのサイヤ人の王子の如くソッコー勝つのを諦めます。
戦いにいこうとする明を引き留めるほどです。
デーモンが総攻撃を仕掛けている様子をテレビで見て「そらみろ!」と明に語り掛けるシーン
人類が滅びると予言するシーン、なぜか嬉しそうなんですよね。
当時は「やべーよ、もう笑うしかねーよ…」みたいな、頭の良い了ならそういう風に考えるんだろうな…みたいに思ったりもしましたが、当時の僕にしても違和感がありました。
デーモンの真の恐ろしさを知っておかしくなってしまったのか?という風に当時の僕は解釈していましたが…
そこで印象的なセリフ…「ウラメに出やがった…!」
このセリフは、サタンである了が、自分がサタンであることを知らずに無意識に口走った言葉だと思っています。
テレビを使って更に人々の不安を煽ります。
当時の僕は、まだ了は味方だと信じていたので「これもきっとなにか策があるんだ!」と思って読んでいました。
そして実はデーモンの大将であるサタンでした。
当時の僕はゼノンがラスボスだと思っていたため、唐突に名前があがるサタンについて「え?だれ?」という感想でした。
ですが実は了がサタンであるならば、これまでの行動が繋がってきます。
そんな大事な設定なら連載を始める前に決めていそうなものですが…
先生は上記の通り、描きながら考えるタイプ。描きながら了がサタンだったと気付いたのですね。
まさに天才の発想ですよね…
確か、飛鳥了は本来なら主人公・不動明がデビルマンになったところで死ぬはずのキャラだったのです。
まずそこを生き残ったのがスゴイですね。
一巻のラストでも了が死んだところで終わっているのでキレイにまとまっていました。
復刻版やファーストではその後、了の病院へ明がお見舞いにいくシーンがあるのですが、なぜか愛蔵版・文庫版等ではカットされています。
なので、シレーヌから明を救うために突然、了がなにごともなかったかのように出てくるのです。
僕は初めて読んだときに文庫版だったので、非常に戸惑いました。
「飛鳥了…!お前一巻で死んだんじゃなかったの!?」と…
どっか読み飛ばしたシーンがあったんじゃないかと読み返したりしたものです。
デーモンの無差別合体により明から「各地でデビルマンが誕生している!そいつらを集めて軍団を組織する!」という話がありました。
ですが了はそれを聞き「十分に考えられることなのに…人間をおびやかすことに夢中になってしまったな…」と心の中で了が思うシーンがあります。
この場面は当時ちょっと違和感あったのですが、激マンにて修正されていました。
確かに修正前だと、了は人類を滅ぼしにかかっているようにとらえられますもんね。
雷沼教授の発表をひっくり返すような発表をして、人間をさらに窮地に追い込みます。
そしてそれが引き金となって牧村家に悲劇が訪れることとなります。
ですがデビルマン軍団と戦いたくないのであれば、美樹ちゃんだけでも守ってあげればよかったのに…
でもサタンは女性でもあるので恋敵の美樹ちゃんが邪魔だったのかな…?嫉妬心?
今思うと打ち切りが決まっていて、少ないページなのにサタンとか新キャラ出しちゃって大丈夫なの…?とちょっと思ったりします。
了と明が二人で会話をするシーンが大好きなんですよね。
そして「新しい時代に生きてくれ」という了に対して、無言で答える明…
沈黙を答えと受け取り、背を向けて太陽をバックに去る了…
そこに明が一言「サタン…」
一コマ間を置いて振り返る了…そのまま去っていく…
ほとんど会話はなく、絵のみで表現されるシーンです。
ですがこれにはかなり痺れます。
子どもにも読ませたい理由
かなり内容がショッキングなので、子どもに読ませるかどうか、親が勧めるのもどうかな?と思うところですが…
それでも読んでほしい理由がデビルマンにはあるのです。
理由は以下…↓
反戦がテーマになっている
デビルマンの後に発表される作品「激マン」は当時のデビルマンの制作裏話を知ることができる作品です。
そこでデビルマンは「反戦」を訴えている作品であることが名言されています。
確かに言われてみると、そういう描写がちりばめられています。
第三次世界大戦が起こったということを想定して描かれた作品。
例えるなら小学校の時にクラスに置いてあった唯一の漫画「はだしのゲン」のようなものでしょうか?
「はだしのゲン」もかなり衝撃作でしたね…原爆が投下されるシーンは今でも思い出すと胸が痛くなります…
デーモンは戦争を仕掛ける敵国
主人公は戦う気のない若者…それを戦わなくてはいけない状況に追い込んでいます。
そして戦争により理不尽に奪われていく大切なモノ…
守ろうとした人間によってヒロインは殺されます。これほど理不尽なことはあるのでしょうか?
憎しみが憎しみを呼び、「戦わない」という選択肢があったにも関わらず、主人公は戦いを選び、最後は命を落とします…
疑心暗鬼になった人々がヒロインを惨殺するのはショッキングですが、その凄惨さで伝えられるものもあると思うのです。
今から漫画を買うなら
デビルマンはいろんな形で再販されています。
僕は最初は古本屋で文庫版をセットで買いました。
できれば「復刻版・FIRST」のどちらか
ただ、できればでいいのですが、これから漫画を購入する場合、完全復刻版がファーストをお勧めいたします
文庫版や愛蔵版はお勧めいたしません。
僕は古本屋の全巻セットで文庫版を買いましたが…ちょっと後悔しています…
理由は以下↓
理由は「加筆・修正」
なぜかと言うと、文庫版や愛蔵版は再編集加筆修正がされているからです。
連載終了から何年か経った後の「新デビルマン・ネオデビルマン」の描写を合間に挿入されたりしています。
突然次のページから絵柄が突然変わって、また元に戻るのです。
読んだ当時、高校一年生とかでしたが、違和感でした。
これを聞いて「そっちの方がいいんじゃないの?」という風に思う方もいるかもしれません。
それが、増えるぶんにはまだいいのですが、なぜか減っている部分もあるのです。
それは改めて「復刻版」を読んだときに知りました。
復刻版は加筆修正されていないので、連載当時のまま読むことができます。
ブックオフで立ち読みをした際に「なんでこのシーンカットしたの?Why!?」と思い、買いなおしました。
了の病院のシーンやシレーヌ編導入の怪談話、デーモンハンターのくだり等、なぜ削除されたのか…
単行本を出すときの加筆修正ならいいと思うのですが…(ハンターハンターみたいに…)
発売してから何年もたった後に加筆修正しちゃうと絵柄が変わっていたりして違和感を覚えてしまいます…
飛鳥了の病院のくだりは、後の「激マン!」でも描きなおされているので、作者としてもなかったことにしたい場面ではないと思うのですが…
1巻ラストの猫のデーモンが飛び立つシーンや、タイムトラベル編、最終戦争のあたりが加えられています。
加筆修正は、原作者ならではのこだわりが反映されているのかもしれませんが、ぼく個人としてはやはり「当時の絵柄のまま、当時の勢いのままの原作をそのまま読みたい!」と、思っています。
どうせなら、まるまるカットされてしまった了の制止を振り切って戦いに出た後の無双したであろうシーンを当時の絵柄で加筆してほしかったです…
一番オススメは完全復刻版
個人的にはですが「完全復刻盤」の購入をオススメします。
もうコレを読んだら他のデビルマンは読まなくていい!と言えるほどです!
上記に「加筆修正」に違和感…としましたが「完全復刻版」にも加筆修正がされています。
ですが「完全復刻版」の加筆修正は全然OKです。
なぜなら、完全復刻盤は連載当時に単行本化する時の「加筆・修正」だからです。
なのでいきなり絵柄が変わることもありませんし、当時の勢いのまま読むことができます。
当時は「打ち切り」ということで、いろんなシーンをカットしまくったんですね…※それも「劇マン」で補完されています。
あとは表紙です。当時発売されたままの表紙です。
ただ、今では手に入りにくいのが難点ですね…
復刻版は、当時はブックオフで見つけて買えましたが、今は見つけるのはなかなか難しいかもしれません…ネットで検索してもなかなかお高くなっちゃってます…
因みに僕は「文庫版・豪華愛蔵版・復刻版・ファースト」と4種類買いました。文庫版と愛蔵版は布教用に友人に譲りました。笑
完全復刻盤の完全復刻盤でも出てくれればいいのですが…
デビルマンーザ・ファーストーの感想
ファーストは、まさに雑誌掲載時のそのまんま…らしいです(当時の雑誌を読んだことがないため…)
やはり大きいサイズで読むと迫力があります。なんと連載雑誌と同じサイズ!
加えて、各話毎の扉絵があるのは嬉しいです。
※今の漫画では当たり前かもしれませんが、物語の流れを崩さないために、当時の漫画は1話1話区切るようなことをしておらず、扉絵を省略して物語を単行本一つにまとめているのです。
連載当時の雰囲気を味わえますね!
なので読んでみると…
- あー、ここで区切ってたんだー!
- この一枚絵見たことある!
- この話の扉絵だったんだ!
- デビルマンて全53話だったんだ!
…以上のようなことを知ることができます。
再度お伝えしたいことは、各話の「扉絵」です。
なぜカットした?と思えるような扉絵がギッシリ詰まっています。
この「扉絵」見るためだけでも、買う価値はあると思います。
デメリットといえば…
- けっこうお高い(2,970円)
- 大きくて場所をとる(雑誌サイズな為)
- 当時の加筆がない
なので、完全にマニア向けだと思います。
ファーストは大きいサイズで一冊3,000円ほどで、サイズも雑誌と同じです。
ちょっと興味あるな…くらいでしたらブックオフに行って安くなっている本を買えばいと思います。
欲を言えば、サイズは大きくてもいいし、値段も高くていいので、当時の表紙で全五巻にしてほしかったなぁ…なんて考えてしまう、めんどくさいファンは僕です。
まとめ
今回は「漫画版デビルマン」について書かせていただきました。
ただ思いつく限りを書きなぐりました。
やはり名作は何回読んでも飽きませんね!
これからも何度も何度も読み込んでいくと思います!
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