こんにちは!ともや先生です!
保育士ってなんでこんなに大変なのに給料が安いんでしょうか?
今回は「お金」の話です!
他の人が言わないような事を、具体的にわかりやすく説明したつもりです。
是非「目次」だけでも見ていって下さい!
保育士の給料が少ない理由①:保育時間
開園時間の誤差が3時間
保育園は原則として一日11時間、月曜~土曜まで開けなくてはなりません。※11時間を超える場合は延長
そこで、国の基準はこうです↓
保育園の運営について「原則8時間としつつ最大で11時間まで利用可能」
ですが実際のところ、毎日11時間運営できるほどのお金を国から貰えていないのです。
言い換えると「毎日11時間やって下さいね。でも8時間分までのお金しか配りませんよ。」ということ。
保護者からすると「8時間」って言うと「9時に預けたら5時にお迎えに行く」という計算ですね。
実際にそのような家庭は少ないですよね?
ですが、労働基準法によれば↓
- 正職の保育士は週に40時間しか働けない
- 月曜~金曜まで働いたとすると一日8時間(8時~17時※休憩1時間)で埋まります
土曜も開けなければなりませんし、振休や有給だってありますよね。
一日11時間を開けないといけないのに、労働基準法を守って回せないのが実状です。国に定められた規程通りの人員配置で運営した場合「ブラック保育園」の出来上がりです。
これって、週6で毎日11時間働けっていうこと?3時間はタダ働き?
ですので、回すためには規定以上の人を入れるか、超過して働いてもらう他ありません。
国の基準に則しているのに、おかしな話ですよね…
国としては、このような認識なのです↓
「え?保育園て原則8時間までなんでしょ?じゃあ8時間までのお金でいいよね?ん?ホントは11時間やってるの?えー!?聞いてないよー、ホントに?ウソでしょ?」
ちょっとわかりやすくする為に脚色しましたが、だいたいこんなもんです。
配置については、以下の項目で詳しくお話しします。
保育士の給料が少ない理由②:配置基準
上記の開園時間を守る為の鍵が保育士の配置です。
基準以上に人を入れなければ保育が回らなくなる
日本の保育士の配置基準は皆様もご存知の通り…
- 0歳が「3:1」
- 1,2歳が「6:1」
- 3歳が「20:1」
- 4,5歳は「30:1」
ですが、実際にはこの人数で保育を行う事は難しいことが多いですよね?
なので正規職員を増やしたり、保育補助、パートの先生を入れたりするのです。
冷静に考えて、一歳児6人を先生1人で見ろ!かなり無茶です!
1・2歳児も「3:1」とかににして欲しいなぁ…
ですが、実際には定められた配置基準のお金しか国からは貰えません。
どんな大金でも大勢で分け合うと自分の取り分は少なくなります。
配置基準通りに運営すると、園長先生はこんなことを言わなければなりません。
ウチは一歳児6人クラスだから1人担任です。早番も遅番も1人でやって下さい。土曜も毎週出て下さい。代わりがいないので風邪を引いてはいけません。有給なんて無理ですよ。え?問題なんかありませんよ。国の規定通りですから。
極端な例ですがこれが現状です。
そんなんじゃ休憩どころかトイレにだって行く暇ないですね…
世界から見て3歳以上は?
世界基準で見たら「0~2歳児」はまだいいのですが、問題なのが「3~5歳児の配置基準」です。
1.2歳児も改善して欲しいのですが、特に「3歳児以上」は世界から見ても日本はかなり差があります。
アメリカでは
- 3歳児が「6:1」
- 4歳が「7:1」
- 5歳が「8:1」
イギリスでは
- 3歳が「7:1」
- 4歳が「8:1」
- 5歳が「9:1」
フランス・ドイツでは
- 3~5歳が「13:1」
えー!!!ダントツで日本が少ないですね…
今の国の規程ですと、4歳と5歳は30人を一人で見るのは当たり前という判断ですので、その分のお金しか貰えないのです。
僕も実際にそのような園で働いていましたが、30人を一人で見るのは大変です。
一人担任だと休みも取りづらいですし、休んだ場合は担任以外の先生が見なければなりません。
お給食さんの配置
調理員だって例外ではありません。
当たり前ですが、調理員さんがいなくては、子ども達はご飯を食べることが出来ません。
今の配置基準はこうです。
- 定員40名以下で1人
つまり、40人の子どもがいる保育園は調理員さんを1人しか雇えないという事。
それを月曜から土曜までフルで回さねばならないのです。
えーーーっ!1人しかいないの?こんなんじゃ休みなんか取れないじゃないですか!
こんなこと本当にやったら労働基準監督署がすっとんで来ます。
基準通りに運営したら労働基準に違反してしまうのです。実に理不尽です。
保育士の給料を上げる1つの方法
保育士の経験がある国会議員を出すこと
保育士の給料を上げる方法、言葉にすると実に簡単です。
決定権があるのは「選挙で選ばれた国会議員」なので、保育士の経験がある、現場の事を分かっている、保育の世界に精通した人を選出することです。
保育士やったことない人が保育士の大変さを理解できるはずがないのは普通のことかもしれませんね…
「現場はこういう状況なんだ!」と声を大きくして言える議員さんが必要なのです。
よく言われる「保育士なんて子どもと遊んでるだけでお金がもらえる楽な仕事でしょ?」と言われる理由がコレです。
お金のベースはあくまで国が決めているのです。
因みに、看護師さんの給料が保育士よりも高いのは、政治家に看護師をやっていた方がたくさんいるのが一因です。昔は看護師さんも高くはありませんでした。
政治家じゃない人が叫んでも…
仮に政治家ではない方が直談判したとします。
保育士の給料が安いんですけど!こんなに大変で大切な仕事なのに!いい加減にして下さい!!!
選挙で選ばれなければ、具体的になにもできません。
どんなに地位や権力、影響力がある人が訴えても、ほぼ意味が無いのです。
…と言うことは、フォロワー100万人!とかのトップインフルエンサーが叫んでもで仕方ないんですね…
なんとなく「大変だ!」と聞いてるけど「なんか実感わかないんだよね~」と言ったところです。
その主張が正しいかどうかは関係無いのです。
例えば実習生さんや学生ボランティアさんが「この保育園のやり方は間違ってます!」と園長に直談判した場合どうでしょうか?まともに取り合って貰えるでしょうか?難しいと思います。
じゃあどうするか?免許を取って実際にその園に就職して、職員会議等で訴えるのと、どう違うでしょうか?
今いる議員にかけあってみてはどうか?
現場の声をまとめて、現職の国会議員の方に発言してもらったとします。
すると厚生労働省、内閣府、財務省の方が事務所まで来て、こんな話をなされます…
「先生、先日このような事を申されていましたが、内情は〇〇でして、国の仕組みはこうなっていて、予算はこうなっています。なので現場の方達はそう言っているかもしれませんが、実はこうなっているんですよ。」
実際にはこれの繰り返しになっています。
保育のことを全く知らない人が訴えても、突き返されちゃうんですね…
要は「他にもやることがいっぱいあるから、保育に振り分ける余裕なんてないよ!」ということなんですね。
【オマケ】保育士の年収「全国平均394万円」の謎
保育士の年収の全国平均は2021年1月時点で、約394万円(ボーナス含)となっています。純粋に12で割って月に換算すると月給33万円です。
え!?そうなの!?私そんなに貰ってないんだけど!!
別に、園長がくすねているわけではありません。
上記の通り、分配されるお金では保育が回らないので、国の定めた開園時間で、規定以上の人員配置をするとそのようになってしまうのです。
100万円も2人で分けたら50万円ですが、10人でわけたら1人10万円になっちゃいますよね…
このような事が実際に起こっているのです。
極端な例ですが…
- パートを一切雇わない
- 30人以下の以上児クラスは1人担任
このような体制なら、その分給料に上乗せされるかもしれませんが、実際は厳しいですよね…
実際にそうやって働いている!という園があったとしても、なにかしらが犠牲になっていては意味がありません。
園長先生!保育士の全国平均394万円なんですけど!私の給料なんでこんなに低いんですか!?私のお金返せ!!!
と、事務所に怒鳴り込む前に、ちょっと確認してみて下さい。
まとめ
保育士が給料が安い理由とは!
- 8時間分のお金で11時間働いている
- 30人を1人で見る分のお金しか貰っていない
そもそも政治家が保育に関してあまり感心がないんですよね。
なので、保育に関しての専門家を議員として選出するしかありません。
オススメ書籍
まぁ日本人の給料が安い!という問題はなにも保育士に限った事ではないのです。
参考までにコチラの書籍を…
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